農薬について思うこと

農薬と聞くとネガティブなイメージを持つ人多いと思う。美味しんぼをみな見てる。

しかし玄人からするとコレは使い方次第だ。

農薬には主に害虫対策と雑草対策、病気対策の3種類ある。

①害虫対策について。これが1番奥深い。無農薬で虫が来ないように作るのは実際不可能だ。虫食いで見栄えが悪いやつを皆さん認容できるかな?下手すりゃ全滅するし。

さらに虫を予防するにはとにかく有機肥料を撒かずに化学肥料にしないといけない。米糠、残渣、牛糞、鶏糞、ボカシなどの肥料を撒くとすぐ虫が湧く。味がわかる奴ならどの野菜にも共通する甘味のクセみたいなのがわかると思うけど、それが化学肥料の味だ。ニンジンもカブもベースが同じ味になってくる。妙に薄っぺらく甘い。これ有機肥料でやると全然違う。

俺は有機肥料の野菜の味が好きなのでできれば有機肥料メインでしたいと思ってる。どうしてもそのための害虫用農薬は避けて通れないかもと最近考えてる。

②雑草対策。除草剤として通路とかに撒く。これ使ってないプロはいない。特に玉ねぎとかヤバイ。でも最近のはよくできてて失活のキレがいい。

俺は使ってないけど、雑草刈りが大変だし、雑草があると虫が湧く。よって①が必要になってくる。たぶん歳とったらいる。高齢農家が存在してるのはこのおかげ。

雑草との戦いはまるでナウシカ腐海のよう。

③病気対策。各種の病気対策用の薬がある。これもプロは絶対使う。予防投与すると治療投与より総量が極端に少なくなるのでだいたい予防で使う。俺みたいに「あ、全滅した。まぁいいか」ゆう趣味の人以外は使うと思う。でも病気用の農薬は価格が高いのであんまし使わない。100円で買ったタネに1000円の薬はもったいないのだ。よって①②と比べるとほとんど関係ないくらい影響はない。

 

俺は①と有機肥料の兼ね合いでせめぎ合ってる。安全と味のバランスだ。このバランスが取れると安心野菜になる。

例えば商売でやってて、見知らぬ都会に出荷するのならプロみたく毎週①をかけまくると思う。化学肥料も使いまくるわ。費用対効果でコスパが著しくいい。どうせほとんどのやつは味なんかわからせんやろしな。

余談だが、最近思うのは素人の作ってる道の駅や直売所で売ってる野菜のクオリティは微妙やと思う。ちゃんと農協の指導のもとルール通り農薬使ってるプロじゃなく、よーわからんジジババが出荷用に自家用と別で作ってる適当な奴とか超怖い。『1000倍に薄める』とか絶対できてないハズ。農家の皆がいい人じゃないからね。

 

総合的に鑑みて俺は①出荷しない(良心を保つ)②なるべく有機肥料(味優先)③なるべく減農薬(極端な考え方をしない)でバランスを取っていこうと思う。俺や家族が食う前提で作る。出荷用は作らん。

完全有機や無農薬というのもどこか極端で、総合的に健全でない気がするんよね。虫が食わない種とか品種もあるんだけどそんなん嫌だし。

 

自分で作るとわかるピカピカで100円のキャベツの恐ろしさよ。